医薬品の原薬は温度や湿度等の影響で、同一の組成であっても結晶形が変化することがあります。それぞれの結晶多形ごとに溶解度や体内への吸収速度が異なることから、医薬品の開発、製造においては結晶多形を区別し、定量することが必要になります。X線回折により、被検試料がどの結晶構造に帰属するかを調べることができます。
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- 電子部品
電池
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分野・カテゴリ
技術
製品名/シリーズ名
機能・役割

製薬
- 蛍光X線
患者が服用する医薬品の安全性を確保するため、不純物の元素を管理する必要があります。蛍光X線分析は不純物元素の管理に役立っています。
- 携帯型ラマン
医薬品の製造現場では、原料に間違いがないか、入荷時にすべての原料を確認する必要があります。携帯型ラマン分光計を使用することで、ポリ容器、ガラスビンなど入荷した状態のまま内容物を測定することが出来るので汚染の心配がありません。
- X線イメージング
(CT)
お薬が早く効く、遅く効く(即効性・遅効性)、長く効く(徐放性)などは製剤設計で決められます。X線CTでは主に顆粒剤、錠剤、およびカプセル内部のひび割れ(キャッピング)、空隙、コーティングの不均一性または剥離、相変化などの内部構造を検査、管理に用いられます。欠陥をなくすことで効能を最大限に引き出し、副作用を防止します。
創薬
- 単結晶構造解析
新しい薬を作る際、効果的な医薬品を作るために、ターゲットとなるたんぱく質の形をもとに薬の元となる化合物を設計する方法がよく使われます。このため、たんぱく質だけでなく、薬になる化合物の形を正確に知ることがとても重要です。また、薬の成分が右手型と左手型(鏡に映ったような違いがある形)を持つことがあり、副作用を防ぐためにはその違いを正確に見分ける必要があります。単結晶構造解析は、こうした化合物の形や違いを詳しく調べる装置で、私たちの安全を守るために様々な研究機関で使われています。

動物病院
- X線イメージング
(CT)
小型動物を生きたまま骨格や内部器官の観察ができます。創薬開発における安全性試験や薬効薬理試験など、人の疾病の治療や予防につながる貴重な研究に役立ちます。近年ではCOVID-19の研究などに大いに貢献しています。
生体由来摘出試料
- CT
骨、歯、摘出臓器など生き物のさらに微細な構造を観察することで、より多くの人の疾病の治療や予防などの健康につながる貴重な研究に役立ちます。
- 20µm
分野・カテゴリ
技術
製品名/シリーズ名
機能・役割

電子部品
- 熱分析
電子基板に用いられているエポキシ樹脂やセラミックス、鉛フリーはんだなどの熱的特性(融点、膨張率、ガラス転移)を評価するために熱分析装置が用いられています。適切な材料選定や配合、及び製作工程へのフィードバックに役立ちます。
- X線イメージング
(CT)
動かなくなった電化製品の故障原因をつきとめるためには製品を細かく分解、切断する必要がありますが、X線CTでは「非破壊」でその原因を特定、製造工程にフィードバックすることで不良の再発を防ぐことが可能です。製造工程の中にX線CT検査を取り入れることで製品の合否判定に用いられることも増えています。
- 蛍光X線
電気機器の分野において鉛や水銀などの有害な物質の使用制限しており、製造現場や受け入れ検査で確認が必要です。蛍光X線分析は、これらの有害物質を簡便かつ非破壊で調べることができます。
- 単結晶構造解析
私たちの生活を支える機械には、多くの電子部品が使われています。例えば、半導体や磁性体、発光材料などがその代表です。これらの材料が結晶である場合、単結晶構造解析によりその構造を詳しく調べることができ、原子や分子の並び方が材料の特性にどのように影響するかがわかります。この情報は、新しい電子部品を作るための設計にも役立ちます。
- 30µm
分野・カテゴリ
技術
製品名/シリーズ名
機能・役割

インゴット

基板
- X線トポグラフィ
- 全反射蛍光X線
半導体製造プロセスにおいて、ファブ(製造ライン)およびニアファブで広く使用される装置、およびアプリケーションです。 X線トポグラフィイメージングシステム(XRTmicron)は、非破壊で転位などの欠陥を検出する装置です。全反射蛍光X線(TXRF)分析装置は、基板表面上の汚染の分析に広く使用されています。

ウェーハ:
薄膜およびデバイス
- X線回折
- X線反射率
- 蛍光X線
- X線小角散乱
最先端の半導体デバイスに使用される金属、誘電体、および半導体の薄膜の膜厚、組成、および結晶品質の分析に関する幅広い機能を提供します。X線反射率(XRR)は、従来の光学測定では難しい薄膜の膜厚を正確に測定することができます。蛍光X線(XRF)は、測定対象の元素に合わせて装置の構成やX線源をカスタマイズすることで、ブランケットウェーハおよびパターンウェーハの膜組成を正確に測定します。高分解能X線回折(HRXRD)は、エピタキシャル膜の歪み、組成、膜厚や、多層膜を含めた薄膜の膜厚と密度を評価します。反射型小角X線散乱(GI-SA XS)は、最先端のロジックやメモリの複雑な構造に対し高度な形状計測を提供します。透過型小角X線散乱(T-SA XS)は、垂直メモリデバイスに見られる高アスペクト比の穴や溝の特性を、非破壊で詳細に評価します。

ウェーハ:
マスク
- X線回折
- 蛍光X線
- X線小角散乱
- 全反射蛍光X線
先端フォトマスク向け薄膜評価技術を提供します。X線反射率(XRR)は、EUVマスクの多層膜ミラーの膜厚測定など、詳細な分析と品質管理を行います。全反射蛍光X線(TXRF)は、マスクおよびマスクブランクス上の微量汚染物質を非破壊で分析します。

ウェーハ:
インターコネクト
- X線回折
- X線反射率
- 蛍光X線
各種インターコネクト材料の膜厚、組成、粒径の特性評価に用いられます。装置のモニタリングやインラインプロセス制御に適しています。TSV(スルーシリコンビア)や埋め込み配線など、複雑なインターコネクト構造にも応用できます。

パッケージング
- 蛍光X線
蛍光X線(XRF)技術を用いることにより、バンプや電極の特性評価ができます。微小なバンプや電極の形状や組成を特定できる装置も用意しています。この技術は、ハイブリッドボンディングの計測技術にも応用できます。
- X線イメージング
(CT)
- 新装置 開発中
X線イメージング技術により、先端パッケージに用いられる微細バンプ/TSVの欠陥を自動検出するインライン検査装置を開発中です。
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- 0.5µm
分野・カテゴリ
技術
製品名/シリーズ名
機能・役割

電池
- X線回折
モバイル機器や電気自動車向けに、リチウムイオン電池の需要が高まっています。リチウムイオン電池の寿命を延ばすには、充放電中の状態を直接観察することが大切です。X線回折法により電池を開けずに充放電中の変化を確認することができ、より正確な評価が可能になります。
- 蛍光X線
リチウムイオン電池をはじめとした電池の特性を管理するためには、組成や不純物の管理が必要です。蛍光X線分析を用いることで、迅速かつ簡便に元素を調べることができます。
- X線イメージング
(CT)
現在主流であるLIB電池は主に正極材・負極材・セパレーターを巻き重ねた構造になっております。X線CTでは正確に巻き取られているか(巻きズレがないか)、材料中に異物が含まれていないかなどの検査に用いられます。巻きズレや異物があると電池の破損、最悪の場合は電池の爆発火災などの重大事故につながる危険があるため厳重なチェックが必要です。
- 蛍光X線
限りある資源を有効活用するため、近年、電池のリサイクルが活発になっています。ハンディタイプの蛍光X線分析装置を使用することで、リサイクル品の元素をその場で検査することができます。
- 単結晶構造解析
リチウムイオン電池などの性能を上げたり、新しい材料を作ったりするためには、材料の構造を詳しく調べることが大切です。特に「単結晶構造解析」という方法を使って、材料を原子レベルで調べることで、その性質や働きを理解できます。これにより、電池がどのように動くのかや、材料がどうして電気を通しやすいのかがわかります。日本は特に全固体電池の分野で進んでおり、この解析を使って日々新しい材料や技術を開発しています。
分野・カテゴリ
技術
製品名/シリーズ名
機能・役割

鑑識/
考古学/
文化財
- X線イメージング
(CT)
数百年、数千年前の貴重な遺跡の内部を見たい時など、X線CTではモノを傷つけずに中身を確認することが可能です。一度壊すと復元不可能なモノも安心して確認できます。それが何かだけでなく、劣化状態の診断などにも利用できます。
- 蛍光X線
芸術品の元素を調べることで、当時の材料の出所や交易の経路を特定することができます。蛍光X線分析は貴重な芸術品を破損させることなく調べることができます。

アスベスト
遊離ケイ酸

土壌、河川
- 蛍光X線
環境モニタリングは、水質や土壌の汚染レベルを監視することを目的としています。蛍光X線分析は迅速かつ簡便に元素分析できることから多点の分析評価に貢献しています。

宇宙
- 熱分析
「はやぶさ2」で採取された小惑星「リュウグウ」の試料を熱分析装置で測定すると、発生するガス種発生温度、総量を知ることができます。これらの測定結果は地球や太陽系惑星の起源調査に一役買っています。
- 蛍光X線
惑星の進化や地球の構造の研究において、岩石や鉱物の元素の分析が重要です。近年、リガクは「はやぶさ2」が持ち帰った小惑星「リュウグウ」試料の元素分析を行い、酸素や炭素を含む20元素の元素組成を明らかにしました。
- 蛍光X線
リガクは、NASAの探査機「オシリス・レックス」が採取したB型小惑星「ベンヌ」の砂粒を分析しました。この分析により、「ベンヌ」の歴史や小惑星「リュウグウ」との共通点や違いを発見することが期待されています。
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分野・カテゴリ
技術
製品名/シリーズ名
機能・役割

高分子
(フィルム)
高分子(樹脂)
- X線イメージング
(CT)
強度を高める、軽量化を目指すなど樹脂の使用用途は拡大しています。X線CTでは樹脂中の強化繊維の状態を観察したり、内部の空隙を定量的に評価する用途に用いられます。品質を向上しつつ、生産効率を上げてコストダウンを図り、「良いモノをより安く」に貢献します。

セラミックス
- X線回折
セメントの硬化時間や強度といった性質を正確に把握するためには、精度および正確度の高い分析が必要となります。X線回折を用いた定量分析は、迅速かつ簡便な手法としてセメントの研究や品質管理で普及しています。
- 蛍光X線
セラミックスは用途合わせた特性を得るため、厳格に組成の管理がされています。蛍光X線分析は固体をそのまま分析が可能であるため、品質管理用途として使用されています。
- 熱分析
セラミックスは非常に高温で焼成される部品です。品質の高いセラミックスはバインダー(結合剤)を効率よく除去する必要があり、熱分析装置は複雑な製造過程のシミュレーションに一役買っています。

金属
- X線回折
新規金属材料開発では、目的とする物性を持つ金属材料を得るために、様々な温度・雰囲気下で評価を行う必要があります。水素、アンモニア、水蒸気などの特殊雰囲気下で加熱した場合の結晶相変化を詳細に観察することができます。
- 蛍光X線
めっきの膜厚や金属の組成の管理は、製品の機能性を確保する上で必要です。蛍光X線分析は試料をそのまま測定できるため、金属の製造業界で広く使われています。
- 蛍光X線
限りある資源を有効活用するため、近年、金属リサイクルが活発になっています。ハンディタイプの蛍光X線分析装置を使用すれば、リサイクル品の元素をその場で検査することができます。
- 熱分析
熱分析装置では、金属の熱的特性(変態点、融点、膨張率)を調査することが可能です。金属はさまざまな環境下で利用されますが、使用目的や使用環境に合わせて適切な金属を選択するためには熱的特性の情報が必須となります。
- 単結晶構造解析
金属材料の内部構造を調べるために、X線回折という技術がよく使われます。特に、2011年にノーベル化学賞を受賞した準結晶という特殊な構造を持つ材料の研究では、単結晶構造解析装置で得られたデータが重要な役割を果たします。このデータは、非常に細かい部分まで見られる電子顕微鏡での観察結果と一緒に使われ、準結晶の構造を詳しく理解するのに役立っています。

鉱物
- X線回折
惑星の進化や地球の構造の研究において、岩石や鉱物の組成と分子構造の分析が日常的に行われています。X線回折法により、鉱物相の成分やその組成を調べることができます。
- 熱分析
鉱物由来のセメントは品質検査の為に精密な重量変化を得る必要があります。TG-DTAで得られる熱的特性値の他、組み合わせたGCMSから環境対策に重要なCO2量の測定が可能です。
- 単結晶構造解析
多くの鉱物は結晶であるため、単結晶構造解析を使うことで、原子や分子がどのように並んでいるかなどの3次元構造を調べることができます。最近では、天然記念物に指定された「北海道石」の研究にもこの技術が活用され、詳しい構造の解析が行われています。

食品
- X線回折
バターの味と食感は温度により大きく変化するため、生産者は常に良好な品質を維持するために油脂結晶の構造に注目しています。X線回折法とDSC(示差走査熱量測定)を組み合わせた同時測定によって、バターの結晶構造や融点などの特性を調査することができます。
- 熱分析
チョコレートのとける温度やチューインガムの柔らかさをはじめ、熱分析装置では食品の測定も実施されています。また、保存に適した条件や食品の口どけといった評価をする際にも役立ちます。
- X線イメージング
(CT)
「味覚」や「食感」を数値化することは簡単ではありません。X線CTでは様々な食品中の含有率や均一性、気泡のサイズや数といった項目を数値化することで高度な品質管理に役立ち、「おいしい」を届けられます。
- 水銀分析
川や海水中に含まれる無機水銀が、環境中の微生物によりメチル水銀に変化し、食物連鎖を通じて魚介類に取り込まれます。そして、それらを食べる人間にも取り込まれます。食品に含まれる水銀濃度を測定し把握することは、私たちの健康を守る一つの手段となっています。

安全/安心
- 携帯型ラマン
世界で拡大するテロの脅威を未然に防止するため、警察・税関・自衛隊などのセキュリティー分野で使用されています。化学兵器や爆薬、またそれらの前駆体を容器などに入った状態のまま検出可能で、危険性をその場で判断できます。
- 携帯型ラマン
税関や麻薬取締機関などで使用されており、麻薬・覚せい剤・違法薬物を特定することが可能です。容器越しに非破壊で内部物質を検査できるので、証拠品を滅失する心配がありません。

香料、農薬
- 単結晶構造解析
単結晶構造解析に関連した技術として、ノーベル賞候補の結晶スポンジ法という方法があります。この方法では、揮発性の高い香料や少量の農薬が分解してできるガスを結晶スポンジで捕まえ、その分子の形を調べることができます。これにより、新しい化学物質の研究や安全性の確認に役立てられています。

化粧品
- 水銀分析
水銀は安価な原料で、美白効果や防腐性があるため、化粧品に使用されることがありました。現在でも高濃度の水銀が含まれた化粧品が流通している国もあります。その毒性は使用者の健康を害します。化粧品中の水銀濃度を把握し、水銀を含有する製品の生産、流通を防ぐことが重要です。

土壌
- 水銀分析
土壌中の水銀は雨や地下水などを通して水域に移動します。海域や河川・湖沼の底質中に含まれる水銀は、溶出して水質汚染の原因になる可能性があります。水銀測定装置では、土壌や土壌溶出液中の水銀濃度を測定することができます。

作業環境
- 水銀分析
水銀は毒性が強いことに加え、常温でも飽和蒸気濃度が非常に高い元素です。ポータブルの水銀測定装置では、作業環境中の水銀濃度をリアルタイムに測定することができます。

水道水
- 水銀分析
水道水は私たちの生活に欠かせません。健康保護の観点から、安全性の指標となる基準濃度は、非常に低く設定されています。水銀測定専用の分析計を用いることで、水道水中の極微量の水銀を高感度に測定することができます。

排ガス
- 水銀分析
2017年に発行した水俣条約には、水銀の大気への排出を規制し削減することが定められています。連続モニタリング装置を用いて水銀濃度を測定することは、排出量管理に役立っています。

石油・天然ガス
- 水銀分析
地殻には多くの水銀が存在しているため、そこから産出される天然資源には少なからず水銀が含まれています。水銀は、触媒劣化や配管腐食を及ぼし、プラントの操業に影響を与える恐れがあります。天然資源中の水銀濃度を測定することは、エネルギーの安定供給に役立ちます。

廃棄物・排水
- 水銀分析
かつて日本では、急速な工業化の過程で有害廃棄物が水俣病などの公害問題を引き起こしました。廃棄物を適正に管理するために、水銀濃度を測定し把握することが重要です。固形廃棄物中の水銀分析に優れたMAシリーズ、排水中の水銀を高精度に測定するRAシリーズ、大気中の水銀を効率的にモニタリングするEMPシリーズが廃棄物管理に使用されています。

環境
- 水銀分析
- 気中水銀測定装置 WAシリーズ
- 還元気化水銀測定装置 RAシリーズ
- 大気中水銀測定装置 AMシリーズ
(製品ページなし) - 加熱気化水銀測定装置 MAシリーズ
水銀は常温で液体である唯一の金属元素で、揮散しやすい性質を持ちます。様々な排出源から排出された水銀は地球上を循環し、分解されることなく環境中に蓄積します。大気・水質・土壌等の媒体ごとに水銀濃度の基準値が定められています。
