J.Kさんは2016年に入社し、現在は中国市場向けのアプリケーションサポートを担当しています。韓国出身で、日本に来たのは博士課程中の共同研究がきっかけでした。

これまでの経歴とキャリア

インタビュアー:J.Kさん、まずはご出身について教えていただけますか?

J.Kさん:韓国出身です。韓国といえば辛い料理のイメージが強いですが、実は家庭料理はそれほど辛くありません。私が好きなのは、熟成したキムチを水で洗って味噌で煮込んだチゲや、干し山菜を戻してごま油とニンニクで炒めて醤油で味付けするナムルです。御飯が一瞬でなくなります(笑)。

インタビュアー:美味しそうですね。日本に来られたのは、どのようなきっかけだったのでしょうか?

J.Kさん:博士課程中に、筑波大学の大嶋先生と誘電体ガラスの物性に関する結晶構造について共同研究を行うために来日しました。その時、研究で必要だったのがX線回折法で、自分で作ったガラス試料の結晶構造の確認にX線回折法を使いました。そこから、SPring-8という兵庫県にある世界最大のシンクロトロン放射光施設で働く機会が得られたんです。

インタビュアー:SPring-8、それはすごい経験ですね。どんなことをされていたのでしょうか?

J.Kさん:はい、SPring-8ではBL02B2というビームラインの担当者でした。一番利用率が高いビームラインだったので、装置の開発や運用、さらには測定や解析ソフトの開発も担当しました。ビームライン運営に関連する仕事は何でもやっていましたね(笑)。この経験が、今でも大きく役立っています。

インタビュアー:その経験が今のお仕事に活かされているんですね。リガクに入社されたきっかけは何ですか?

J.Kさん:リガクとは、SPring-8時代から装置の開発で関わりがありました。当時、リガクの顧問であった原田先生が小型卓上機の教科書を作成していたので、それをお手伝いしたのがきっかけです。加えて、鈴木専務から「会社ではより最先端のサイエンスを経験できる」とアドバイスをいただき、これも大きな入社の理由になりました。

インタビュアー:そうなんですね。では、入社当初はどのような業務を担当されていましたか?

J.Kさん:2016年に入社してから、最初の半年間は嘱託社員としてX線機器事業部に所属し、ジャーナルの英訳を担当していました。その後、正社員になり、応用技術センターでお客様のサンプルを測定して報告する仕事に移りました。測定した結果が新しい発見に繋がることがあり、お客様も喜ばれますし、それがこの仕事の醍醐味だと思います。

インタビュアー:ターニングポイントとなった2020年のこともお聞かせください。

J.Kさん:2020年、中国の北京にラボを設立するプロジェクトがあり、その運営を任されることになりました。このとき、ただ与えられた仕事をこなすだけではなく、積極的に自分で考えて行動する必要があることを学びました。しかし、コロナ禍で計画が進まず、最終的にプロジェクトは凍結されましたが、この経験は自分にとって大きな転機でした。

現在のお仕事

インタビュアー:コロナの影響でプロジェクトが進まなかったとは残念ですね。現在のお仕事はどのようなことをされていますか?

J.Kさん:今は中国のお客様向けに、アプリケーションサポートを行っています。お客様の要望を満たすために、限られた予算内で最大限のパフォーマンスを引き出せるよう、装置の利用法や測定・解析法を提案しています。中国語も勉強しながら、お客様をサポートしています。

リガクでの働き方とこれからのこと

インタビュアー:語学も勉強しながらの業務、大変ですね。リガクに入ってよかったことは何ですか?

J.Kさん:大学やSPring-8で培った知識を生かせるのはもちろんですが、それに加えて、仲間がいて、一人では解決できないことも相談しながら乗り越えられるのが大きいです。また、いろいろな分野の方々とお話しする機会が多いので、自分の知識をさらに広げることができる点も、リガクに入ってよかったことですね。

インタビュアー:会社の面白さについてはどう感じていますか?

J.Kさん:やはり、X線を使った装置開発という一つの目標の下で、さまざまな分野の方と関わり合えることが面白いですね。技術者だけでなく、営業やサポートの方々とも協力して、一つの装置を作り上げるプロセスはとても刺激的です。自分の考え方の幅が広がり、視野が広がります。

インタビュアー:それはすごく魅力的ですね。では、今後チャレンジしたいことはありますか?

J.Kさん:後輩に知識を伝えて、新しいアプリケーションを開発していきたいです。一人でのステップアップには限界があるので、チームで協力して新しいものを生み出し、より多くのお客様に貢献したいと思っています。

求職者の方へメッセージ

インタビュアー:素晴らしい目標ですね。最後に、求職者へのメッセージをお願いします。

J.Kさん:一度リガクを経験してみてください。最先端のサイエンスをサポートする力を養うことができます。研究職を探していて、最先端の研究、最先端の材料開発の場を近いところから見たい方にお勧めです。

2024年9月現在