T.Tさんは2019年に入社し、フィールドエンジニアとして日本各地の特別な現場に行かれています。これからは上海を担当することになり、世界への目標の第一歩として鋭意準備中でした。

これまでの経歴とキャリア

インタビュアー:まずはご出身について教えていただけますか?

T.Tさん:滋賀県彦根市です。国宝・彦根城の城下町で、ゆるキャラ「ひこにゃん」が有名です。隠れ名物の「近江ちゃんぽん」もおすすめです。

インタビュアー:学生時代のことを教えてください。

T.Tさん:学生時代は、高温環境下で生息する微生物由来のタンパク質分解酵素の研究として、放射光を用いてタンパク質の単結晶X線構造解析を行いました。当時は主にサンプル作りとして微生物の操作やタンパク質の精製・結晶化に注力していたため、X線や結晶学の知識は今ほどありませんでした。

インタビュアー:リガクを知ったきっかけや、入社の決め手は?

T.Tさん:学生時代に放射光施設でリガクの製品を見かけ名前を知りました。その後、業界での高いシェアと海外売上比率が伸びていることを知り、魅力を感じて入社を決めました。

インタビュアー:入社してからの配属や仕事内容について教えてください。

T.Tさん:2019年4月に入社し、最初の半年間は国内サービス部の東京サービスステーション(当時)で実習を受けました。先輩のフィールドエンジニアの作業に同行しながらOJTを受け、卓上XRD装置の納入作業を翌年3月までに単独でできるようになることを目標に、経験を積みました。9月には同部署で仮配属となり、単独でお客様を訪問するようになりました。初めは卓上装置メインで、徐々に大型装置も任されるようになりました。

インタビュアー:その後、大阪への異動があったそうですね。

T.Tさん:はい、2021年5月に大阪サービスステーション(当時)に異動し、お客様との日程調整やメンテナンス部品の手配など、より裁量の大きな業務を担当するようになりました。

現在のお仕事とこれからのこと

インタビュアー:現在の業務内容について教えてください。

T.Tさん:今年からテクニカルサポート部に所属し、中国のフィールドエンジニアのサポートをメインに行っています。上海赴任が予定されているため、ビザ取得、実習参加などの準備も進めています。中国語の習得も必要なので、会社の補助を受けて妻と一緒に中国語会話を受けさせてもらい、最低限日常生活が送れるぐらいは喋れるようになりました。

インタビュアー:すごいですね。準備もお忙しいですね。業務ではどのようなサポートを行っているのですか?

T.Tさん:お客様の事業所に訪問し、装置の納入据付、操作説明、修理、メンテナンスなどを行います。また、お客様の要望に応じてアタッチメントの導入やメンテナンスプランの提案も行います。例えば、あらかじめお客様から借りてきたサンプルとは異なるものを、現地に入ってから「やっぱりこのサンプルを…」と、別のものを持ってこられることもあるのですが、そういう時にも臨機応変に対応して目的の測定結果が得られたりすると、とても喜んでいただけます。X線をもうちょっと絞ろう、など、お客様と相談しながら色々調整したり。そうですね、例えばカメラのレンズの調整に似ている部分もあるかもしれません。またどんなに高性能な装置でも、安定稼働しなければお客様の活動に貢献できないので、安定稼働のためのメンテナンスプランをご提案し、実施することでお客様の活動をサポートしています。お客様に寄り添って、よりよい装置の運用を考えることが大切だと考えています。

インタビュアー:この仕事の面白さについて教えてください。

T.Tさん:装置の点検だけでなく、お客様のアプリケーションにも関わることができる点が魅力です。アカデミアから産業界まで、最先端の現場で直接お客様と話す機会があるため、知見が広がりますね。このヘルメットの許可証のとおり、立入制限のある現場に入る必要が生じることもあるので、例えば製鉄場の鉄が溶けて火の粉が飛び交うような現場にも行くこともあります。普段見られないところに行けるのは社会科見学のような面白さがありますね。また、操作説明の際、お客様のサンプルに合わせて適切な測定条件をご提案し、良好な測定結果を得られた時には達成感が大きいです。ほかにもトラブルを迅速・適切に解決できた時など、お客様と向き合う中で感謝される機会も多く、大きなやりがいのある仕事です。

インタビュアー:今後、挑戦したいことはありますか?

T.Tさん:海外のお客様にも価値を提供することです。そのための第一歩として、上海赴任を進めています。装置の設置環境や部品手配、現地のエンジニアの知識や技術、そして顧客の要求にいたるまで、全てが日本と異なるので、現地の状況に合わせ最適化したサポートを提供できるよう現地法人の方々と協力して取り組んでいきたいです。

リガクでの働き方とワークライフバランス

インタビュアー:どんな人にこの仕事をおすすめしますか?

T.Tさん:問題解決に取り組むのが好きな人と、車の運転が苦でない人です。フィールドエンジニアの仕事は一人で活動することが多いため、自分で考えて行動する姿勢が求められます。一方で、同僚との情報交換は不可欠です。エリアは、日本国内では北海道・仙台・東京・名古屋・大阪・北九州の拠点から日本国内すべてのお客様をカバーしているので、私は大阪在籍ですが、一番遠くて山口まで行っており、中国、四国と近畿全般も担当範囲でした。社用車移動なので車の運転が好きな人には向いていると思います。

インタビュアー:リガクに入って良かったことはありますか?

T.Tさん:お客様の分野が幅広く、知見が広がって社会の見え方が変わりました。町を歩いていて「あっ、あのお客様が関わっている製品だ」と思うことが増えましたね。また一般的なフィールドサービスエンジニアはお客様のアプリケーションや解析にまで寄り添うことが少ないのですが、リガクではお客様と一緒にサンプルを測って出てきたデータを見て、じゃあこういうアプリケーションかっていう相談を結構深いところまでできるので、すごく良いところだなと思っています。また、先日母校の装置をメンテナンスする機会があり、恩師にご挨拶できる機会を持てました。一人の社会人として新しい形で繋がったのも嬉しく思いました。ほかにも、自分が生まれる前の装置が現役で稼働していた現場に行く機会もあり、この手で修理した時はリガクの歴史を垣間見たようで、先輩エンジニアたちへの畏敬の念など色々と感慨深いものがありました。

インタビュアー:いずれも素敵な機会でしたね。お休みの日はどのようにお過ごしですか?

地元の社会人チームでフィールドホッケーをプレーしています。上海でもプレーできるチームを探しています。

求職者の方へメッセージ

インタビュアー:最後に、求職者へのメッセージをお願いします。

T.Tさん:測定原理や装置についての知識については、入社してから学ぶ機会が多くあるので必要ではありません。リガク装置に触ったことがなくても大丈夫です。幅広い分野で最先端の技術を支える魅力的な仕事で、ワクワクしたい人におすすめの面白い会社です。ぜひ私たちと一緒に『視るチカラ』で世界を変えましょう!

2024年9月現在