環境

人権の尊重

人権方針

リガクグループは、2011年に国連人権理事会で支持された「ビジネスと人権に関する指導原則」に則り、2023年11月に「リガクグループ人権方針」を定めました。本方針は社是に掲げる「人を大切にする」を原点とするものであり、外部有識者の助言を踏まえて作成し、社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会で審議の上、取締役会で承認されております。本方針はリガクグループに属する全ての役員、従業員、その他受入出向者、派遣社員に適用されるものであり、国内法令および国際規範、各国の法令の遵守を宣言しています。ビジネスパートナーの皆さまにも本方針をご理解いただき、支持していただくことを期待しています。

リガクグループ人権方針 日本語 英語

推進体制

リガクグループの人権尊重の取り組みは、サステナビリティ推進プロジェクトを中心に組織横断的に推進し、サステナビリティ推進委員会に報告・共有を行います。「リガクグループ人権方針」に則って継続的に人権に対する影響評価を行うとともに、「リガクCSR調達ガイドライン」「リガク責任ある鉱物調達」に則って人権を尊重した調達活動を推進しています。

人権デュー・ディリジェンス

リガクグループでは、Rigaku Visionにおいて定めるすべてのステークホルダー(顧客、仲間、社会、株主)の人権を尊重するため、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいて人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、人権への負の影響を未然に防ぐとともに、万が一影響が生じた場合には、是正や影響の軽減に取り組んでいます。

人権影響評価

法務省が示す「今企業に求められる『ビジネスと人権』への対応(詳細版)」に定義された26の人権課題をもとに、まずは当社国内従業員について、深刻度と発生可能性の観点から評価を行いました。
続いて海外拠点についても、各拠点との情報共有ややりとりを通じて、それぞれのエリアに特有の課題や、優先的に取り組むべき人権課題を把握しました。
国内外それぞれの評価結果を、拠点ごとの従業員数に加え、課題の深刻度やリスクの性質といった要素も踏まえて総合的に判断し、グループ全体としての優先課題を特定しました。
また、サプライヤーの従業員、顧客、代理店、地域社会といった社外ステークホルダーに関しても、国際機関の公開指標や社内セルフアセスメントの結果、社内関係者との対話などを通じて、リスクの把握に努めています。
これらの評価結果に基づき、当社が検討した26の人権課題のうち、深刻度および発生可能性が「中」以上と評価された項目を、優先的に取り組むべき課題として整理しています。

当社は、理科学機器の専門メーカーとして、主に大学・研究機関・産業界の先端技術分野を対象とした事業を展開しており、国際的な基準と各国の法規制に大きな乖離のない地域において活動しています。
こうした事業特性および活動地域を踏まえて実施した人権影響評価の結果、現時点において深刻とされる水準の人権リスクは特定されておりません。
しかしながら、当社は人権尊重に向けた取り組みの継続的な強化を目指しており、人権影響評価を通じて対応すべき課題を明らかにし、必要に応じてさらなる改善に取り組んでまいります。

優先的に取り組む人権課題

優先的に取り組む人権課題 特定されたリスク 取組状況と今後の改善・強化に向けて
労働安全衛生(自社、サプライヤー)
消費者の安全と知る権利(顧客)

■労働安全衛生

  • 自社
    精密機器メーカーとして、製造工程を中心に、電気、重量物、放射線、化学物質などに起因するさまざまな安全リスクに対し、高いレベルの労働安全衛生意識が求められる。
  • サプライヤー
    多くのサプライヤーが加工・組立といった製造工程を担っており、業種特性として一定の労働災害リスクを内包している。

■消費者の安全と知る権利

  • 顧客
    当社製品を安全に使用していただくためには、使用方法に関する十分な説明やサポートが重要であり、これらが不足すると安全性リスクが高まる可能性がある。
    また、製品に関する相談やトラブルが発生した場合に、適切な対応を迅速に行うことも、安全と信頼の確保に不可欠である。
  • 自社
    従業員の健康と安全を守るため、安全教育を一層徹底していく。
    またEHS(環境・健康・安全)体制を強化している。自社内の体制強化を通じ、サプライヤー、代理店、顧客にも安全への意識が波及する好循環を見込んでいる。
  • サプライヤー
    取引先CSR調査に基づく対応(※1)
  • 顧客
    製品設計段階でリスクアセスメントやデザインレビューを実施し、使用時の安全性確保に配慮した設計を行っている。導入時には、マニュアル整備や操作トレーニング、設置時の立ち会い支援などにより、安全な運用を促している。納入後も、問い合わせ対応や点検、部品交換などのアフターサポートを通じ、安全性の維持に努めている。今後も、製品ライフサイクル全体でのリスク管理を強化していく。
労働時間(自社、サプライヤー)
  • 自社
    業務の繁閑や人員配置の状況により、時間外労働が増加するケースが確認されている。
  • サプライヤー
    当社サプライヤーの中でも、小・中規模の事業者においては、限られた人員やリソースの中で生産・納期対応を行っているケースがあり、労働時間や業務負荷の偏りが懸念される場合がある。
  • 自社
    労働時間の可視化と定期的なモニタリングを通じて、労務管理体制の強化と残業時間の削減に取り組んでいる。必要な人員の採用に加え、業務の平準化・分担を図ることで、業務負荷の分散と長時間労働の抑制につなげていく。
  • サプライヤー
    自社生産方式の改善や、顧客の納期や製品構成等データの活用による生産効率化を通じて、サプライヤーの生産スケジュールに影響を与える短納期発注や納期変更を抑制し、長時間労働の削減につなげていく。
    取引先CSR調査に基づく対応(※1)
外国人労働者の権利(サプライヤー)
  • サプライヤー
    日本国内に拠点を持つサプライヤーの一部、特に部品の加工を担う事業者においては、技能実習生をはじめとする外国人労働者の雇用が広く見られると想定される。
    技能実習制度における人権侵害リスクが社会的に指摘されている中で、注意深くモニタリングすべき課題として認識している。
  • サプライヤー
    取引先CSR調査に基づく対応(※1)
救済へアクセスする権利
(自社、サプライヤー、顧客・地域社会)
  • 自社
    すべての拠点に通報窓口を設置し、アクセス性向上に向けた周知も行っている。
    今後は、通報後の対応に関する情報提供や、さらなる利用促進に向けた取り組みの充実が課題と認識している。
  • その他のステークホルダー
    人権に関する問い合わせが可能であることを明確に示した窓口が存在せず、匿名での通報・相談を受け付ける苦情処理メカニズムも整っていなかった。
    そのため、外部ステークホルダーが問題を提起し、適切な対応を求めるルートが限定されていた。
  • 自社
    さらなる認識向上のための研修への追加を含む取り組みを行い、通報後の対応に対する信頼性の向上と利用促進に注力する。
    各国の法制度に即した適切な体制整備を進める。
  • その他のステークホルダー
    ホームページの問い合わせ窓口の機能を拡充し、2025年7月より、サプライヤー、顧客・地域社会、代理店の方々からも人権に関する相談(匿名通報を含む)を受け付け可能とした。
    今後は、この窓口の認知向上と適切な対応体制の運用に努める。
差別(自社、サプライヤー)
  • 自社
    一部拠点において施設のバリアフリー対応が十分ではなく、高齢者や障害のある方を含む多様な身体的条件を持つ方々への配慮が行き届いていない可能性がある。
  • サプライヤー
    日本国内に拠点を持つサプライヤーが多数を占めており、世界経済フォーラムが発表する「ジェンダー・ギャップ指数」において日本が低位にとどまっている現状を踏まえ、ジェンダーに関する差別リスクは相対的に高いと評価している。
  • 自社
    平等なアクセスや機会の確保の観点から、中長期的に予定している施設改修の機会を活かし、バリアフリー対応を段階的に進めている。
  • サプライヤー
    取引先CSR調査に基づく対応(※1)
ハラスメント(自社、サプライヤー)
  • 自社
    各拠点においてハラスメントの予防策や対応体制は整備されているものの、職場内の人間関係の複雑さや、被害が表面化しにくい特性から、適切な把握が難しいケースが生じる可能性がある。
  • サプライヤー
    現状当社と概ね同程度と評価している。詳細な状況把握は限定的であるため、引き続き注意を払う必要がある。
  • 自社
    各種研修および社内イントラネットによる注意喚起を通じて、ハラスメントに関する教育・啓発を実施している。職場の状況を継続的に把握し、問題発生時には迅速かつ適切に対応することで、職場環境のさらなる向上を図る。
  • サプライヤー
    取引先CSR調査に基づく対応(※1)
プライバシーの権利(自社、サプライヤー)
  • 自社、サプライヤー
    サイバー脅威の高度化に加え、運用上の人的ミスのリスクや、各国での法制度・規制の変化にも対応していく必要がある。こうした環境の中で、情報の機密性・完全性・可用性を確保しつつ、法令遵守を継続的に実現していくことが重要な課題である。
  • 自社
    ITインフラの整備、情報セキュリティ教育の強化を継続しており、標的型メール訓練などの実践的な取り組みを実施。また、二要素認証の徹底や、社内イントラネットを通じた定期的な注意喚起も行っている。今後も制度面・技術面の両側面から対応を強化していく。
  • サプライヤー
    取引先CSR調査に基づく対応(※1)
  • サプライヤーに関する各課題については、主要な調達先を対象として、取引先CSR調査を行っています。調査結果を踏まえ、リスクが懸念される場合には、追加調査の実施や改善に向けた取り組みについて、個別に協議を行っています。

苦情処理メカニズム

リガクグループでは、「リガク・グループ行動規範」に反する行為を早期に発見して従業員を守るため、内部通報窓口を設置・運用しています。社内窓口と第三者機関を利用した社外窓口を用意し、匿名での通報・相談が可能であるとともに、通報者が不利益な取り扱いを受けないよう、保護に努めています。通報や相談を受けた案件は、通報者・相談者の意向を確認の上、調査や是正対応を進めます。

また、サプライヤーの皆さま、地域住民の皆さまを含む全てのステークホルダーは、ホームページの「お問い合わせ」(「人権(差別/ハラスメント等)」項目)をご利用いただけます。匿名でのご相談も受け付けております。
※なお、当社からのご連絡が必要な場合は、メールアドレスのご記入をお願いいたします。

お問い合わせ

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