環境

社会への取り組み

当社は、マテリアリティにも定めている「企業の社会的責任」の一環として、次世代を担う子どもたちの育成に貢献する活動や地域に密着した取り組みを行っています。さらに、国際社会における科学技術人材の育成にも寄与し、社会全体の成長を支援しています。

Protein Society Awardsへの協賛

国際的な非営利の学術団体であるThe Protein Societyは、蛋白質研究にかかわる科学者同士の交流や共同研究を促進し、最先端の科学の発展を目指しています。毎年開催されるシンポジウムでは、蛋白質研究において顕著な業績を挙げた研究者や、リーダーシップ、教育、奉仕活動において優れた貢献をした研究者を表彰しています。

2024年7月23日から26日にカナダのバンクーバーにて開催された第38回シンポジウムでは、7月25日と26日に授賞式が行われ、受賞者のスピーチが行われました。リガクは、2007年より「Carl Brändén賞」のスポンサーとして協賛しています。この賞は、蛋白質の構造生物学分野において先駆的な貢献を果たしたCarl-Ivar Brändén氏を称えるものです。また2024年に新しく設立された、生体分子のX線回折による構造解析でノーベル化学賞を受賞したDorothy Crowfoot Hodgkin氏を称える「Dorothy Crowfoot Hodgkin賞」のスポンサーも務めています。
The Protein SocietyのCEO のRaluca Cadar氏は「The Protein Societyは、蛋白質科学の分野における優れた研究を表彰できることを光栄に思います。また、Carl Brändén賞のスポンサーとして、そして2024年からはDorothy Crowfoot Hodgkin賞のスポンサーとして、ご協力いただいているリガクに深く感謝いたします。この賞は、生物学の解明に多大な影響を与える秀でた業績を称えるために授与されます。」とコメントしています。

シンポジウム会場では、ワークショップや参加者同士のネットワーキングイベントも開催され、Rigaku Americas CorporationのCSO(Chief Scientific Officer)のJoseph Ferrara博士も現地へ赴き、交流に参加しました。リガクでは、今後もこのような国際的なイベントを通じて、科学の進歩とイノベーションを支援し続けます。

Protein Society Awardsへの協賛
(シンポジウム会場で参加者と交流するJoseph Ferrara博士)

JAIMAサマーサイエンススクールへの参画

中・高校生の皆さんに実際に分析機器を操作体験してもらうことで、様々な産業を支える基盤となっている分析機器・技術について理解を深めていただくことを目的に、2012年より毎年「JAIMAサマーサイエンススクール(主催:一般社団法人日本分析機器工業会(JAIMA))」が開催されています。

リガクは、2024年7月25日に日本科学未来館で開催された「JAIMAサマーサイエンススクール 2024」に今年も協力企業として参画しました。会場には、協力企業14社により18のブースが設けられ、15校から集まった50名の生徒たちが、2~3名のグループで1機種の装置を1時間ずつ、計3機種の装置の概要説明、操作体験実習に参加しました。

リガクのブースでは、結晶分析についてのレクチャーを行ってから、単結晶X線構造解析装置で塩や砂糖などの身の回りの小さな結晶の構造を観察してもらいました。生徒たちは、熱心に取り組み、ときおり質問なども投げかけてくれていました。

リガクでは今後もこのような活動へ参画し、次世代の科学技術を担う人材が科学技術への興味を深める機会を提供し、業界全体の発展に寄与することを目指してまいります。

リガクブースでの実習の様子
リガクブースでの実習の様子

日本物理学会Jr.セッションへの協賛

アインシュタインが相対性理論を含む3つの論文を発表した1905年は、物理学の「奇跡の年」と言われています。それからちょうど100年後、国際連合により「世界物理年」と定められた2005年、「日本物理学会Jr.セッション」は物理学に興味を持つ中高生を対象とした次世代人材育成プロジェクトとしてスタートしました。

2024年3月16日に開催された第20回日本物理学会Jr.セッション(2024)では、103件の応募から書類審査を通過した88件の研究結果が発表されました。
当社は科学・技術分野の未来を担う若い方々の研究活動を支援したいという思いから、この活動に協賛し、最優秀賞・リガク大賞を熊本県立宇土高等学校、岡山県立倉敷天城高校の2校に、また優秀賞・リガク賞を東京都立科学技術高等学校に授与しました。
企業からの賞の贈呈は今回のJr.セッションが初の新しい試みで、副賞として贈られた寄付金・贈呈品は生徒たちのさらなる研究活動に活用されます。

当社では、日本物理学会との協力関係を通じて、今後も本プロジェクトへの支援を続けていきます。

熊本県立宇土高等学校Jr.セッション参加の様子
熊本県立宇土高等学校Jr.セッション参加の様子
岡山県立倉敷天城高等学校Jr.セッション参加の様子
岡山県立倉敷天城高等学校Jr.セッション参加の様子

職場体験

リガクでは、中学生の「職場体験学習」を受け入れています。「職場体験学習」は、文部科学省が推奨する学習活動のひとつで、生徒たちが職場で働くことを通じて、職業や仕事の実際について学ぶキャリア教育の一環として、全国の中学校で実施されています。

2023年10月に本社・東京工場(東京都昭島市)で行われた職場体験では、3日間のプログラムに2名の生徒が参加しました。生徒たちは3日間で3つの異なる「仕事」を体験しました。1日目は実験室で実際の分析装置を利用した「分析業務体験」(消せるボールペンで描いた絵が加熱によって消える様子の観察、おにぎりのふっくら感等の分析)、2日目はソフトウェア開発部門で「プログラミング体験」(ロボットアームの動きをプログラミングし、自動搬送に挑戦)、3日目は調達部門で納品物の「入荷作業体験」(荷物の受け取り、仕分け、バーコードで読み取り)。どのプログラムも生徒たちにとって初めての体験となったようで、時折真剣な表情を見せながら積極的にモノづくりのプロセスを学ぶ様子が印象的でした。

リガクでは職場体験を通じて、生徒たちに働くことの意義や将来の進路について考える機会を提供しています。また、理科教育の一環として生徒たちの理科離れの解消に貢献し、地域の皆様にリガクの事業内容や取り組みを知っていただく機会にもなればと考えています。これまでも本社・東京工場にて小学生の工場見学を受け入れており、これからも地域社会に根ざした活動を続けてまいります。

職場体験
職場体験に参加する生徒たちの様子