地球の水はどこからきたのか。 生命を構成する有機物はどこでできたのか。

地球から最も近い小惑星帯に存在するC型小惑星リュウグウには、約46億年前に太陽系が出来た頃の水や有機物が今でも残されていると考えられています。

この問いを解明すべく、2014年12月3日に種子島宇宙センターから打ち上げられた「はやぶさ2」は、リュウグウから5.4gの試料を採取した後、総距離60億キロメートルを2,195日かけて、2020年12月6日に地球に帰還しました。

イラスト:池下章裕
画像提供:ISAS/JAXA

翌年の6月23日には、初期分析プロジェクトに参画した当社に、化学分析チームに提供された試料の内約30mgが持ち込まれ、波長分散型蛍光X線分析装置(WDXRF)で炭素と酸素を含む化学組成分析を行いました。そして、主成分と数十ppm以上の微量元素の合計20元素の含有率を決定した結果、リュウグウ試料は、最も始原的で太陽系の元素組成を反映していると考えられてきたCIコンドライト隕石と、非常によく似た元素組成であることが明らかになり、隕石と小惑星の物質化学的関係性が初めて証明されました。

また同年8月には、新たに約1 mgの試料が持ち込まれ、示差熱天秤-ガスクロマトグラフィー質量分析同時測定システム(TG-DTA+GC-MS)で分析した結果、CIコンドライト隕石に比べて、リュウグウ試料の含有水分の量が半分以下であることがわかりました。 

TG-DTA+GC-MS
ZSX Primus IV

これは、80年前に地上に落下したCIコンドライト隕石と比べて、リュウグウ試料が地球の物質の影響を受けておらず、始原的な太陽系の元素組成を保持していることを示し、太陽系形成史や地球の水起源などの宇宙科学研究にとって非常に高い価値を持つことを意味しています。

当社では、昨年アメリカ航空宇宙局(NASA)の小惑星探査機「オシリス・レックス」が、小惑星「ベンヌ」から持ち帰った試料についても分析を行っており、NASA分析チームの研究の一環として、リュウグウの成果との比較が予定されています。

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プレスリリース「リガク、米国版はやぶさ「オシリス・レックス」が採取した試料を分析」はこちら
20231221_PR_analyzes_samples_by_OSIRIS-REx.pdf (rigaku.com)